2026.02.05
【2026年1月施行】改正行政書士法で何が変わる?

登録支援機関が「できないこと」を徹底解説
2026年1月1日に行政書士法が大幅に改正され、特定技能制度に関わる登録支援機関(RSO)の業務範囲が、法的により明確に線引きされることになりました。
今回の改正は、特定技能外国人を受け入れる企業の人事担当者にとっても無関係ではありません。登録支援機関の業務範囲を正しく理解しておかないと、知らないうちに行政書士法違反(両罰規定の対象)に巻き込まれるリスクすらあります。
本記事では、総務省および出入国在留管理庁の公的情報を基に、登録支援機関が「できないこと」を正確に整理し、企業が注意すべきポイントを分かりやすく解説します。
1. 改正行政書士法の背景とポイント
今回の法改正は、無資格者による有償の書類作成代行が横行していた現状を是正するために行われました。総務省の公式情報によれば、行政書士法第19条に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て書類を作成することは禁止」という文言が追加され、無資格者による官公署に提出する申請書作成行為をより明確に規制しています。
これにより、従来“グレーゾーン”とされていた行為の多くが、2026年以降は明確な「違法行為」と判断されることになります。
2. 登録支援機関が絶対に「できないこと」
ここでは、公的情報を基に、企業が特に注意すべき「登録支援機関ができない業務」を具体的に解説します。
① 入管に提出する全ての在留資格申請書類の作成
行政書士法では、官公署に提出する書類の作成は行政書士の独占業務です。ここには、特定技能に関わる以下の書類が含まれます。
- • 在留資格認定証明書交付申請書(COE)
• 在留資格変更許可申請書
• 在留期間更新許可申請書
• 1号特定技能外国人支援計画書
• 理由書・説明書
登録支援機関がこれらを作成すれば、名目にかかわらず行政書士法違反となります。
② 無償であっても継続的に書類作成する行為
「無償なら行政書士法違反にならないのでは?」という誤解があります。
しかし、実務として継続的に提供していれば「業として行っている」と判断され、違反に問われる可能性が高いと公的資料で指摘されています。
③ オンライン申請システムの入力代行
入管庁は、オンライン申請システムへの入力代行も書類作成と同等であると注意喚起しています。
つまり「書類を作らないからセーフ」ではなく、入力代行そのものが行政書士法違反となり得ます。
④ 名目を変えて書類作成費を受け取る行為
行政書士法の改正では、次のような名目でも「すべて報酬とみなす」ことが明記されています。
- • 申請サポート費
• 事務手数料
• コンサルティング料
• パッケージ料金内の書類作成部分
たとえ支援業務とセットであっても、実態が書類作成代行であれば違法です。
企業側も、このようなスキームに巻き込まれないように注意が必要です。
3. 登録支援機関ができること(合法領域)
一方で、登録支援機関が問題なく行える業務も明確です。
- • 制度説明や手続きの流れの案内
- • 必要書類の一覧提供
- • 外国人への生活オリエンテーション
- • 行政機関への同行
- • 相談対応
- • 申請等取次者として承認を受けている場合の「提出のみ」
★重要なのは、提出はできても作成はできないという点です。
4. 違反時の重大なペナルティ(両罰規定)
2026年改正では、無資格者の違法行為に対して「個人」と「法人」の両方に罰則が科される両罰規定が導入されました。
総務省によれば、以下が適用されます。
- • 1年以下の拘禁刑(懲役・禁錮)
- • 100万円以下の罰金(法人にも適用)
登録支援機関だけでなく、依頼した企業側にも影響が及ぶケースもあり、実務上のリスクが大幅に高まりました。
5. 企業の人事担当者が取るべき対策)
ここまでの整理を踏まえ、企業側がとるべき実務対策は次のとおりです。
• 登録支援機関には「支援業務のみ」を依頼する
申請書類の作成は必ず行政書士へ直接依頼する体制に変更しましょう。
• 登録支援機関の料金明細を必ずチェック
パッケージ料金内に書類作成相当分が紛れ込んでいないかを確認します。
• 登録支援機関の業務フローが法令に準拠しているか確認
公式に「書類作成は一切行いません」と明記している登録支援機関を選ぶと安心です。
• 社内で書類作成担当を育成する
中長期的には、企業自身が必要書類を作成し、行政書士に確認依頼する形が最も安定します。
まとめ:2026年以降は「支援=登録支援機関」「申請=行政書士」
行政書士法の改正により、登録支援機関の役割はより「支援専門」へと明確化されました。
- • 書類作成は行政書士の独占業務
- • 名目を変えて報酬を受け取ることも禁止
• 違反には両罰規定が適用される
• 企業は登録支援機関と行政書士を明確に分業させる必要がある
2026年以降、特定技能制度の適正運用は、企業・登録支援機関・行政書士の三者が正しく役割分担することが不可欠です。
お問合せ ↗
TDGHRM フェイスブック
